■
id:DavitRice さんのこの記事を読んで不思議に感じたことなどのメモ。
私自身は、「人種は存在しない」的な物言いへの抵抗に共感するところがある。
たいていの社会問題の扱い方には実学系の方向と思想系の方向とがあって、総合的な視座を得るためには両方必要なのだろうとは思いつつ、どうも後者は敬遠してしまう。「セックスとはつねにすでにジェンダーである」(バトラー)とか、しゃらくせえって感じで言葉遊びとしか思えない。こういうことばかり言ってると最終的に一歩も動けなくなるのではないかという危惧がある。
たぶん私の中に人文学を軽んじる気持ちがあるんだろうね。新たな視座の提供にもそれなりの意義がありうるのは否定しがたいし、改めないといけない。
ただ、こういうことをDavitRice さんのような経歴の方がおっしゃるのは不思議。この方は倫理学をやってらした(やってらっしゃる?)方のようなんだけど、先の実学系・思想系の区分で考えれば、倫理学なんて思想系のど真ん中で、まさに「言葉遊び」*1の学問でしょう。いったい自身の専攻とどのように折り合いをつけておられるのか、純粋に気になる。
というか、考えてみれば「社会学的」*2な物言いに反発しているのは、たいていが同じような言葉遊びをしてる連中*3なんだよね。このあたり、ある種の同族嫌悪のようなものがあったりするのだろうか。