吉川英治『天兵童子』

吉川英治『天兵童子』、なかなか面白かった。

吉川英治全集〈51〉天兵童子.ひよどり草紙

天ケ島から出てきた天兵が、行く先々で出会う車之助(後の石川五右衛門)の一党と対決しながら、世をよくするため備中高松城の戦いや明智光秀討伐などに加わって力を尽くす。

所詮子供向けと言われればそのとおりかもしれないが、テンポのよさが心地よい。良くも悪くも、今の作家ならこの内容で3冊くらいにふくらませるんじゃないかな。これまで吉川英治はあまり手にとる機会がなかったが、もう少しいろいろ読んでみたくなった。

鬼の棲家

先日質問した際には有益な回答等をいただけたので、再び人力検索はてなに質問を投稿*1。質問文を置いておく。

将棋界でよく見る表現に、「鬼の棲家」というものがあります。

これは順位戦B級1組を指す表現として用いられるのが一般的だと思いますが、奨励会三段リーグ)を指す表現として用いられることもあるようです。

順位戦B級1組を指す表現としての「鬼の棲家」と奨励会三段リーグ)を指す表現としての「鬼の棲家」、それぞれの初出を教えてください。その他この表現に関連する情報のご教示も歓迎します。

本来「鬼の棲家」とは順位戦B級1組のことで、これを奨励会三段リーグ)の意味で使うのは最近になって出てきた誤用(が定着したもの)とばかり思っていたんだけど、どうもそうでもなさそうだ。たとえば将棋世界1983年4月号にも、奨励会の意味で「鬼の棲家」を用いている記事があるらしい*2

どちらの意味で用いられたのが先かは気になるところ。

 

【2020年9月6日追記】

回答なし。残念。

*1:https://q.hatena.ne.jp/1598621094

*2:https://shogipenclublog.com/blog/2015/07/30/inoue-4/

削除されたコメントをここに移置した時点で基本終了案件という認識だったので気づかなかったけど、コトブキ(id:kotobuki_84 )さんも来てたのね。

Arecolleさんについて - Fubarのブログ

僕がコイツ狂ってるなって感じる人間に、第三者が「こいつは狂っている」ってレッテル貼ってるのを見ると、『そうじゃなくて僕の見方が悪いだけ』である確率が下がって行くので、気持ちが安らぎます。ありがとう。

2020/08/03 10:44

b.hatena.ne.jp

学のなさは真面目に勉強しない限り改善されないのだけれど、「皆がそう言ってる!」で心の平安を保つのも別に悪いことではない。

というか、今回の狂ってる云々は下劣だけど、ざっと最近のブコメを見る限り、コトブキさんは別にそこまで悪質な言動があるわけでもない(もっと酷いのはいくらでもいる)ので、原則的には本当に自由にやっててくれればいいと思う。

ただ念のために言っておくと、すでに他の方によってはられているところからたどれば分かるとおり、Fubar さんは当初ゾーニングゾーニング要求とを混同してコトブキさんと同じような誤解に基づくと思われる絡み方をしてきたけど*1、この点についてのちに自らの非を認めて謝罪してるからね*2。どうせ私の言うことは聞けないんだろうから、安らぎを与えてくれた恩あるFubar さんの「転向」を考え直す契機としてみてはいかが、と提案してみる*3。なお、当時もコールしたので知ってるとは思うけど、いちおう「ゾーニング要求は表現規制だ」という主張等について書いた拙記事をあわせて紹介しておきます。

規制とはなにか - U.G.R.R.

しかし改めて一覧しても案の定見覚えのあるid が大半で、この人たちは私を罵ってさえいれば内容はどうでもいいんだろうと邪推してしまうな(Fubar さんの読解が本当に妥当だと思っているのか聞いてみたい気もするけど、まあ反発が目的化している人からまともな回答が得られるわけもないので、聞いても意味ないか)。

*1:https://b.hatena.ne.jp/entry/4675912058509259554/comment/Fubar

*2:https://b.hatena.ne.jp/entry/4689217565502984546/comment/Fubar

*3:正直、「気に食わない奴を罵ってくれたFubar さん」を媒介すれば多少は主張が伝わるかもしれないな、というのが本記事公開の理由の大半を占めてます。

古市憲寿『古市くん、社会学を学び直しなさい!!』(光文社新書、2016年)読了。

古市くん、社会学を学び直しなさい!! (光文社新書)

古市さんが社会学者に「社会学とは何か」を問う内容。

登場する社会学者は、小熊英二佐藤俊樹上野千鶴子、仁平典宏、宮台真司大澤真幸山田昌弘鈴木謙介橋爪大三郎、吉川徹、本田由紀開沼博の12名。

上野の某発言の出典がこの本だということで読んでみた。正直古市さんには興味がないし、したがってこの本にも全然期待はしていなかったんだけど、思ったよりはまともな内容だったかな。マルクスパーソンズという二大巨頭やそのグランドセオリーとの距離感が世代によって違うとか、逆に思った以上に多くの者が共通して「社会学者」を「シャーマン」になぞらえて説明しているとかいった辺りの相違点・共通点はなかなか興味深かった。

そして12名の社会学者たちから社会学をめぐる立ち位置の異同をうかがえるような話を引き出せたのは、古市さんの特殊な立ち位置によるところも大きい気がする。つまり、いちおう社会学を知らない人ではないからスムーズにやり取りができるし、一方でプロとして地歩を固めているわけではなく半人前感がある*1から社会学者の方でもあまり遠慮せず言いたいことを言えるのではないか、ということ。切れないハサミにも使いようはあるというやつですかね。

仁平典宏『「ボランティア」の誕生と終焉――〈贈与のパラドックス〉の知識社会学』(名古屋大学出版会、2011年)はちょっと面白そうなので、あとで読むかも。

*1:失礼な言いようだけど、ご本人も意識的にそういうスタンスをとっておられるよね、たぶん。

忍者の修行

人力検索はてなに質問を投稿してみた*1。スパムのような投稿もかなり多い印象だけど、ちゃんと回答つくかな。一応ここにも質問文を置いておく。

忍者の修行に、「麻の種をまき毎日その上を飛び越えることで高い跳躍力を得る」というものがあります。

この修行が紹介されている文献を教えてください。

最も知りたいのは初出ですが、この修行が広く世間に認知されるきっかけとなった文献等があるなら、あわせて教えていただきたいです。

「麻の種をまき毎日その上を飛び越える」 

……生長の早い麻に追いつかれないよう必死で飛び続けるうちに常人離れした跳躍力が身につく、という有名な忍者の修行がある。誰でも知っている*2この修行の初出等を知りたいという趣旨の質問。

ちなみに、私がこの修行(に似たもの)をとりあげた話に接したのは、たぶん藤子・F・不二雄ドラえもんが最初。もう少し詳しく言うと、てんとう虫コミックス28巻所収の「ニンニン修行セット」という話が最初、ということになると思う。

ドラえもん(28) (てんとう虫コミックス)

もっとも、この話で飛び越えるのは麻ではなくてロボットツリー。「ロボットツリー」ってのも少々情趣に欠けておりいかがなものかという気もするけど、「麻」じゃ細かすぎるしひみつ道具感もないから仕方ないのかな。

 

【2020年8月23日追記】

この質問に対しては、1件の回答と1件のコメントをいただいた。いずれも8月20日付け。

紹介していただいたのは、学研のひみつシリーズ。自分で読んではいないが、という留保つきで白土三平山田風太郎の名も挙げていただいた。

ちなみに、今のところ吉川英治『天兵童子』(昭和12年から昭和15年)中に記載があることは確認済み。引き続きぼちぼちと調べてみるつもり。

*1:https://q.hatena.ne.jp/1597394534

*2:私の世代なら「誰でも知っている」だろうけど、令和時代の子どもは必ずしもそうではないのかもなあ。少し寂しい気もする。

hanyan0401 さんあて

id:Fubar さんの以下のブログ記事のコメント欄でid:hanyan0401 さんに言及されました。

http://fubar.hatenablog.com/entry/2020/07/26/212053

私はFubar さんからもうコメントを書き込んでくれるなと言われており、私自身も基本的には今後あちらにコメントすることはないと申し上げているので、こちらで応答しておきます。

まず、はっていただいたリンクは閲覧権限がなく私には見られませんでした。

なので、hanyan0401 さんがいかなる認識なのか分かりづらいところもあるのですが、ともあれ、私がコメントをした際に想起したのは、でいだらさんの記事*1です。こちらに現れて「ご注進、ご注進」とやっているあなたのブコメを揶揄やあてこすりの類と評価しました。ブコメ欄にはもう一つ「ご注進、ご注進」をやっているブコメ(その者も今回もブコメをつけています)がありますが、こちらはより露骨ですね。これと同種のものだと判断したわけです。ちなみにこの点についての私の見解はこちらの記事*2のとおりです。

それから、この増田記事*3へのあなたのブコメもですね。こちらは私へのあてこすりであることは明確だと思っています。増田での個人攻撃を問題視するユーザーは他にもおられますが、「卑怯」という語を用いるのはおそらく私だけなので。

ひょっとしたら他にもあるかもしれませんが、丁寧に確認する余裕はないので、ひとまずこれで。もっとも、これらが向こうにつけた私のコメントの表現にぴったり合致するものかと問われると必ずしもそうは言えないところもあるでしょう。「連中」と括ったせいで言及の仕方が乱暴になった面はたしかにあると思います。そのことは認めるにやぶさかではありません。

削除されたコメントと雑感

冒頭掲記のFubar さんの記事では私のコメントが削除されてしまったので、こちらに置いておきます。

一応私がブックマークコメントをつけたことに端を発するやりとりなのでできるだけ丁寧に説明を試みましたが、徒労に終わったのは残念です。私から申し上げても無駄かもしれませんが、落ち着いたら反発自体が目的化していなかったか省みる機会をもっていただけると嬉しいです。

最後に、私のブックマークコメントの趣旨について誤解があるといけないので、少しだけ説明させてください。

Fubarさんが提示する以下のようなブックマークコメント案は、私の趣旨とはやや異なります。

「経験上率直に誤りを認められる人は僅少。houjiTさんは立派。/ Fubarさんは主張を文章にできているし立派。過去にも相手の主張をきちんと咀嚼しようとする姿勢のあるそれなりに良い内容の記事を書いていた」

私は、Fubarさんの現状を手放しで称賛しているわけではありません。

Fubarさんは、主張をきちんとまとまった文章にしている点で、イナゴどもよりは上等です(ずっと上等であると評してもよいでしょう)。この点については、私は本当に立派だと思っています。しかし一方で、かつてのFubarさんに見られた相手の主張を咀嚼しようとする姿勢は、今では影をひそめてしまっています(その意味で、「過去にも」でなく「過去には」であり、今はもう(少)ないのです)。その点については、私は残念に感じています。私はこの2つの面のいずれについても伝えたかったのです。上記案では、後者の面が抜け落ちています。Fubarさんの1つ目のコメントを読む限り理解していただいているとは思うのですが、念のため。

なお、それなりに良い内容の記事へのリンクをつけなかったのは、昔本当にFubarさんに期待していたということを示すためにはむしろ当時のブックマークコメントをはるのが有効であると考えたからです(それなりに良い内容の記事自体にはブックマークしていなかったため、あのリンクにしました)。

もう書き込むなとのことですので、基本的にはこの書き込みで最後にします(私の主張内容について誤解がある場合等には、必要な限度でさらに書き込みをさせていただくかもしれませんが)。

さようなら。

しかし、「率直に誤りを認められる人は僅少」を地でいくようなやりとりだった……。

向こうの記事へのコメントで述べているように、私のブックマークコメント*4にも分かりやすさを欠く憾みがあったので、Fubar さんが私の趣旨と異なる読解をしたことについて殊更に問題視するつもりはなかったのだけど、まあ向こうではコメントの削除までされてしまったし、ここは私のブログなのでもうはっきり言っちゃおう。

Fubar さんの記事では、私のブックマークコメントのリンクを、「検閲」についての理解の浅さを指摘するものだと解釈されているわけだけど、そんな解釈、明らかに無理があるでしょ。

houjiT さんについてのFubar さんの記事が、表現の自由について論じるものであるならば、「お前も表現の自由について知らないじゃないか」との趣旨で、「検閲」についての理解の浅さを指摘することもありうるかも。

でも今回の記事で問題となっているのは、houjiT さんが文章を読んでいないということであって、表現の自由は全く関係がない。あの記事においてFubar さんの「検閲」についての理解の浅さを指摘することが無意味なのは明白でしょう。私はそんな意味のないリンクはらないよ。

さらに、あのリンクを「検閲」についての理解の浅さを指摘するものだと解するなら、私のブックマークコメントの文言との関連性すら保てなくなると思うんだけどなあ。

私はまず「Fubar さんは主張を文章にできている点でイナゴどもよりは上等」と述べてる。この部分は現在のFubar さんに対する評価なので、Fubar さんの過去記事に関するものであるあのリンクはそもそも関係がない。

そして次に、私は「よりよく育つ可能性もあったので残念な思いも」と述べてる。すでに向こうで説明しているように、あのリンクは私がどのようなきっかけでどのような部分に「よりよく育つ可能性」を見出していたかを示すものなわけだけど、仮にあのリンクがFubar さんの「検閲」についての理解の浅さを指摘するものだったとするならば、Fubar さんは昔からダメな人間だったという話にしかならず、「よりよく育つ可能性もあったので残念」という言葉とは結びつかないでしょ。

まあ、ああいう状態になった人にいくら理を説いてもしかたないし、もう終わったやりとりなので、どうでもいいんだけどね。  

*1:https://daydollarbotch.hatenablog.com/entry/2020/02/17/193104

*2:https://arecolle.hatenablog.com/entry/2020/02/21/204037

*3:https://anond.hatelabo.jp/20200315165251

*4:https://b.hatena.ne.jp/entry/4689067611994218882/comment/Arecolle